作成日 | 2003.11.11 更新日 | 2009.10.14
ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン
ポリエンカジベンゾパラジオキシン 【英】Poly Chlorinated Dibenzo-para-Dioxin [略]PCDD [同義]ダイオキシン
解説
有機塩素化合物の一種で、略してダイオキシンとも呼ばれる。
ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)の3種類の化合物の総称で、塩素の数や位置によって222種もの異性体が存在する。
PCDD、PCDFおよびCo-PCBの3種類の化合物は類似の物理化学的性質と生物化学的作用をもつことが知られていて、特にPCDDの2・3・7・8位が塩素で置換した異性体2,3,7,8-四塩化ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)がもっとも毒性が強いといわれる。この2,3,7,8-TCDDの毒性の強さを1とした時に、個々の同族体の毒性の強さを係数で表したのが毒性等価係数(TEF:Toxic Equivalency Factor)である。多数の同族体の混合物として存在するダイオキシン類の量は、各同族体の量に毒性等価係数を乗じた値の合計として表わされ、それを毒性等量(TEQ:Toxic Equivalent)と呼ぶ。
PCDDは、ベトナム戦争で枯れ葉剤として使われた2,4,5-T(2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸)や除草剤・防腐剤として使われるPCP(ペンタクロロフェノール)に不純物として含まれて問題となった。また、ごみ焼却施設からはPCDDとPCDFが発生する。なお、Co-PCBはポリ塩化ビフェニル(PCB)の異性体の一部で、PCBには不純物としてPCDFも含まれる。
ダイオキシン類の大気、水質、土壌の環境基準は、それぞれ0.6pg-TEQ/m3、1pg-TEQ/l、1000pg-TEQ/gと設定されている。そして、環境基準に基づき大気および水質の排出基準が設定されている。
この解説に含まれる環境用語
- 有機塩素化合物
- 排出基準
- 毒性等量
- 毒性等価係数
- 除草剤
- 環境基準
- ポリ塩化ビフェニル
- ポリ塩化ジベンゾフラン
- ペンタクロロフェノール
- ダイオキシン類
- ダイオキシン
- コプラナーポリ塩化ビフェニル
- ごみ焼却施設
- TEQ
- TEF
- PCB
この環境用語のカテゴリー
関連Webサイト
- ダイオキシン類対策(環境省環境保健部):http://www.env.go.jp/chemi/dioxin/index.html
- ダイオキシン類による健康影響等の調査結果(平成12年度分)について(厚生労働省):http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-4.html
- 毒性等価係数(TEF)(横浜市環境創造局):http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/mamoru/kenkyu/kanshi/dioxin/tef.html
- 大気汚染防止法施行令の一部改正等について(平成9年8月21日環境省報道発表):http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=928