一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.09.12 更新日 | 2009.10.14
公害国会
コウガイコッカイ 【英】Pollution Session of the Diet
解説
1970年11月末に開かれた臨時国会(第64回国会)は、当時の公害対策を求める世論、社会的関心の高さにこたえて公害問題に関する集中的な討議が行われたことから「公害国会」と呼ばれた。政府は、全国各地で問題化していた公害への対処には公害関係法制の抜本的整備が必要と認識し、公害対策基本法改正案をはじめとする公害関係14法案を提出し、そのすべてが可決成立した。このときの法体系整備のポイントを上げると次のとおりである。(1)公害対策が経済優先ではないかとの批判に対し、いわゆる「調和条項」を削除し、国の基本的姿勢を明確にした。(2)大気汚染、水質汚濁では従来の指定地域での規制から全国規制に、また、規制対象物質を拡大し規制強化を図った。(3)事業者の基準遵守の指導権限をほぼ全面的に地方に委譲し、また、上乗せ規制の規定を明確化して地方自治体の権限を強化した。