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塩化ビニルモノマー 環境用語

作成日 | 2010.06.10  更新日 | 2010.06.11

塩化ビニルモノマー

エンカビニルモノマー   【英】Vinyl Chloride  

解説

塩化ビニルは、別名クロロエチレン(CH2=CHCl)とも呼ばれ、ポリ塩化ビニル樹脂の合成原料である。常温で、無色の気体。これを重合させたポリ塩化ビニル(ポリマー)またはその樹脂を塩化ビニル塩ビ)と呼ぶ慣習があることから、混乱を避けるためにモノマーである塩化ビニル塩化ビニルモノマーという名称で呼ばれることが多い。

日本における塩化ビニルモノマーの生産量は2,763千トン(2008年)である。また、化学物質排出把握管理促進法(1999)に基づく化学物質排出移動量届出(PRTR)制度によれば、環境への排出移動量の90%以上が大気への排出である。その毒性について、IARC(国際がん研究機関)は、「ヒトに対して発癌性がある(クラス1)」に評価している。このため、環境省は塩化ビニルモノマーを大気汚染防止法に基づく有害大気汚染物質優先取組物質に指定し、地方公共団体における大気モニタリング調査が行われている。

一方、塩化ビニルモノマーは水質の要監視項目に指定され、公共用水域地下水で測定が行われている。しかし、主に地下水から検出される塩化ビニルモノマーは、そのほとんどが嫌気的条件下でトリクロロエチレン等が分解して生成したものと考えられている。こうした地下水汚染には塩化ビニルモノマーの指針値(0.002mg/L)を超える事例が毎年みられることから、環境省は塩化ビニルモノマーを地下水環境基準の項目に追加した(2009年11月)。

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