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イタイイタイ病 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2023.09.06

イタイイタイ病

イタイイタイビョウ   【英】Itai-Itai Disease  

解説

富山県神通川流域の婦中町周辺で多発した公害病で四大公害のひとつとされる。骨が脆くなって体のあちこちで骨折し、患者がいつも痛い痛いと叫ぶので、この名が付けられた。圧倒的に女性が多く発症し、35歳から更年期頃にかけて、特に出産経験者に多く発症するのが特徴である。

原因とされるカドミウムの汚染源は、神通川上流の岐阜県神岡町にある三井金属鉱業神岡鉱業所で、亜鉛を製錬した後に出るカドミウムを含んだ排水をそのまま神通川に流していたために水質と土壌の汚染を招いた。イタイイタイ病は、同地域の汚染された農作物や飲料水を通じてカドミウムを長期間摂取したことにより引き起こされた腎障害と骨軟化症を主症状とする慢性カドミウム中毒とされる。

なお、1968年の厚生省見解では、イタイイタイ病はカドミウムによって腎尿細管障害を生じ、その他に何度もの妊娠、分娩、授乳、加重労働、栄養不足、更年期などの複雑な要因が長期間にわたって複合して働いた結果生じた症候群であると述べている。

また、公害健康被害補償法では、イタイイタイ病を指定疾病とし、富山県神通川流域の認定患者に治療費等の補償をしている。

1967(昭和42)年に初めて患者が認定されて以来、2022年末までで、患者に認定された方は201人、生存されている方は2人。

また、2022年末時点で、経過を見ることが必要とされる要観察者に判定された方は344人である。(2023年4月改定)

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