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環境Q&A

水蒸気ガスの温室効果 

登録日: 2022年11月18日 最終回答日:2023年01月06日 地球環境 地球温暖化

No.42041 2022-11-18 13:35:43 ZWl10123 環境のバックアップ要員

社内でCO2削減の新しいエネルギーについて勉強会を開催していましたが、質問があり上手く応えられずに困っています。
温室効果ガスに水蒸気があるが、地球上では一定以上に増えることがないため通常は大きな問題にならない。という説明をしたところ
大気中の水蒸気が一定になるのは雨が降っているので、水蒸気発生量が増えると温暖化は進まなくても水ゲリラ豪雨等の原因になると考えるのが妥当なのではないかとい質問がありました。
その理屈だと開発中の水素エネルギーも水蒸気を多量に出すのでゲリラ豪雨を助長するように思いますが、そういった議論はこれまでに無いように思います。
この質問者に上手く応えたいのですが、どこが違うのでしょうか?

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No.42044 【A-1】

Re:水蒸気ガスの温室効果

2022-11-25 12:00:13 Nobby (ZWlcf60

>大気中の水蒸気が一定になるのは雨が降っているので、水蒸気発生量が増えると温暖化は進まなくても水ゲリラ豪雨等の原因になると考えるのが妥当なのではないかとい質問がありました。

局所的な増減は無視するとして、大気の量が一定で、平均気温も一定であれば地球全体では水蒸気量は一定だと思います。
逆に、温暖化は進まなくて水蒸気発生量だけが増える事があるのでしょうか。質問した方に聞いてみてください。
現在の気候変動と温暖化は関係していると思いますよ。

水素エネルギーの製造方法には グリーン水素、ブルー水素、グレー水素の3種類があり、
グリーン水素は温暖化にならないし、水蒸気量も増えないでしょう。
一方、ブルー水素、グレー水素の場合は水素製造時にCO2が発生し、温室効果で水蒸気量が増加し、更に
水蒸気増加による温室効果も発生します。
ブルー水素、グレー水素の割合は現在水素全体の90%以上と言われています。
水素を使えば地球温暖化に寄与出来るようなPRしている企業がありますが、私はグリーンウォッシュだと思っています。
現在の製造方法では地球温暖化は進みます。

水素と同様に燃焼時にCO2を排出しないということでアンモニアが注目されていますが、これもアンモニア製造時に大量の化石燃料を使用し、
大量のCO2を発生する場合があるので注意が必要です。

水素もアンモニアも本当のグリーンはほとんど実用化されていません。CO2フリーの言葉にだまされてはいけません。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso_tukurikata.html
https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/11/11-2/qa_11-2-j.html

回答に対するお礼・補足

そご返信・ご回答ありがとうございます。
若干の誤解があるかもしれませんので、補足させてください。
質問者は平均気温が一定の元ではで水蒸気量は変わらないということは承知しております。
その上で
・水素エネルギーを使用するとCO2の代わりに水蒸気がでる。
・つまり大気への水蒸気インプットが増える。
・しかし大気の水蒸気量が一定になるためには、その分の水蒸気は大気からは排出されなければならない。すなわち雨になる。
・この考え方をすすめると水素エネルギー化を進めれば進めるほど雨が増える。つまり大雨が増える。
のではないか?という問いと理解しております。
考え方としては定性的には矛盾はないように思えました。

局所的な都市部での水蒸気はともかく、地球全体で見ればエネルギー転換による水蒸気の増減よりも海洋からの蒸発の方が圧倒的に大きいので定量的には無視できるということなのかもしれません。(すいません計算できていません)

No.42045 【A-2】

Re:水蒸気ガスの温室効果

2022-11-26 13:47:24 Nobby (ZWlcf60

>水素エネルギーを使用するとCO2の代わりに水蒸気がでる。
「CO2の代わりに水蒸気がでる」の理屈がわかりません。

メタン(代表的な天然ガス)の燃焼
CH4+2O2=CO2+2H2O

水素の燃焼
H2+1/2O2=H2O

何れも H2O が生成しますが、熱エネルギーを回収すれば水が出来るだけです。

自動車の燃料に限定して比較すると
1)ガソリン車の場合、CO2と水蒸気が発生します。
2)水素を使った燃料電池車の場合、水(一部水蒸気)が発生するだけで、CO2は
  発生しません。
全ての自動車を燃料電池車にすればCO2だけでなく、水蒸気発生量を減らすことができます。
→間違っていれば指摘ください

工場において化石燃料の代替として水素を燃焼した場合でも熱回収を充分に行えば水蒸気の
発生量が増えることはないでしょう。各工場では熱エネルギーの回収に努力しているので
無駄に水蒸気を排出することはありません。

また、排ガス中の水蒸気量は飽和水蒸気量以上に大幅に増加することは無いと思います。
→ 具体的なデータを持っていませんので専門家の方フォローをお願いします。

以上の理由により私には下記のプロセスがどうしても理解できません。
水素エネルギーを使用する → 水蒸気量が増える → 大雨が増える

回答に対するお礼・補足

丁寧なご回答をありがとございます。
ポイントは出てくる水蒸気が熱回収により液体の水になるはずであり、これは大気に放散されることはないので水蒸気量は増えない。よって大雨にもつながらないということですね。
得心いたしました。
質問者へも回答しました。根気よく説明いただき当方も理解が深まりました。有難うございました。

No.42068 【A-3】

Re:水蒸気ガスの温室効果

2023-01-06 21:12:06 F4 (ZWl2d1d


 ストック(大気中の水蒸気量)とフロー(蒸発量、循環量)を混同した議論となっているようです。このあたりの話は色々な考え方があり私見を披露することは差し控えますが、代わりに現在の気象状況を比較的分かりやすく説明できている?記事を見つけましたのでご紹介まで。
国立環境研究所
https://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201809/333002.html

 水素エネルギー由来のフロー増加について。石油の使用量は世界全体で1日15GLくらい。一方で日本の降雨量は通年で均せば1日1600GLくらいですから、全てを水素に置き換えられたとしても数字的にはごく小さい増加にとどまりそうです。ただ、上記の記事にもある通り必ずしも世界全体に平均的に影響が出るわけではないので、ローカルな影響については未知数の部分があるように思われます。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございました。
頂いた情報も確認してみます。

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