環境民主主義：欧州委員会　オーフス条約の批准に向け最終段階へ

【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2003.11.13 【情報源】EU／2003.10.28 発表

　「オーフス条約」の批准、履行に向け、欧州委員会は、EU規則案・指令案など3つの提案を採択した。オーフス条約は、環境情報へのアクセス、市民の意思決定への参加や司法手続きへのアクセスを促す条約。EUは、条約の条項を域内で法制化し、実施するための最終段階に入った。今回採択された提案は、以下のとおり。
　(1)EUの機関・組織へのオーフス原則の適用に関する規則案
　環境情報への公衆アクセスを強化するため、関係情報を原則1ヶ月以内にインターネット等で公表すること、EU全ての機関・組織を対象とすることを定める。計画やプログラムに関する意思決定については、早い段階からの公衆参加、決定に際して公衆の意見をどう考慮したのか説明することなどが盛り込まれた。また、EUの機関・組織が環境法を遵守していないと思われる場合、NGOに対して、当該機関等への不服申し立て、さらに欧州司法裁判所への提訴の道を開く。
　(2)環境問題に関する司法アクセスに関する指令案
　団体と同様、市民に対しても、環境法違反について、訴訟を起こす権利を認める。全EU加盟国に共通する基本的な条項が置かれ、市民は、環境法に違反している公的機関の作為又は不作為を提訴できるようになる。
　(3)オーフス条約批准に関する決定案
　EUがオーフス条約を批准し、締約国となるための、欧州閣僚理事会決定案。
【欧州委員会環境総局】