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環境ニュース[国内]

「ワシントン条約締約国会議は機能不全」 シンポジウムで締約国会議元動物委員長が指摘  

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2003.03.04 【情報源】外務省/2003.03.04 発表

 2003年2月25日、外務省と比較法文化学会は東京・港区の三田共用会議所で「持続的海洋開発の可能性:リオからの10年と新千年紀への展望」をテーマにしたシンポジウムを開催した。
 このシンポジウムには学生、学者、海外の駐日大使館、NGO関係者約120名が出席。赤尾信敏・元地球環境担当大使のほか、ロバート・ジェンキンス・元ワシントン条約締約国会議動物委員会委員長、国際環境法や環境経済の分野で活躍するクリストファー・ストーン・南カルフォルニア大学教授、巽典之・四天王寺大学国際仏教大学大学院教授が講演を行なった。
 赤尾氏は各国政府、NGOなどの間に意見の隔たりや感情的対立が生じている海洋・漁業交渉の現状を紹介。「持続可能な開発」の原則に立ち返り一貫した対応を取ることの大切さを訴えた。
 またジェンキンス氏はワシントン条約締約国会議の歴史を振り返りながら問題点を具体的に示し、「現在の締約国会議の決定は場当たり的で、国際捕鯨委員会(IWC)と同様に機能不全に陥っている」と手厳しい見解を述べた。
 さらにストーン氏は適正な漁獲量、漁業補助金の問題をとりあげ、「漁獲努力量削減や需要縮小により海洋資源の長期的な保全を図るべき」との見解を示しながら、生物多様性の価値とその適正利用について経済学モデルを使って説明を行った。巽氏は日本人と魚の歴史上の密接な関係、魚と人の健康について説明、漁業資源と共生を図りながら海洋開発を進めていく重要性を説いた。
 なお講演後には、質疑応答が行われ、国際的な海洋・漁業交渉の過程でのNGOとの対話、資源保全に関わる予防原則について出席者と参加者の間で活発な意見が交わされた。【外務省】

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