一般財団法人環境イノベーション情報機構
APECサメ保存管理ワークショップ、APEC漁業ワーキンググループへの勧告を作成
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2002.12.11 【情報源】水産庁/2002.12.10 発表
2002年12月3日から5日にかけて、メキシコのファトゥルコでアジア太平洋経済協力会議(APEC)のサメ保存管理ワークショップが開催された。このワークショップは、2000年に第11回APEC漁業ワーキンググループで採択された「サメの保存管理のためのAPECプロジェクト」の一環として開催されたもの。同プロジェクトは国連食糧農業機関(FAO)による「サメ保存管理のための国際行動計画」のAPEC地域での推進を目的としている。
今回のワークショップではFAOを中心とした今後のサメ保存管理の方向について参加者が個人の資格で意見を交換。その成果として、(1)総論、(2)資源浪費の削減、新製品開発、(3)資源管理のためのデータ収集、(4)FAO国際行動計画に基づく資源評価と国別行動計画の開発、(5)各国、小地域、地域レベルでのサメ管理−−の各分野について、サメ保存管理ワークショップとしての漁業ワーキンググループへの勧告をまとめた。
なおサメ管理については、外洋性サメの管理を現存の地域漁業管理機関を通じて行うこと、沿岸性サメをAPECでの優先的活動対象とすることを提唱したほか。沿岸性サメに対する漁獲努力量の過剰を指摘し、「FAO漁獲能力管理に関する国際行動」の効果的実施を求めている。
この勧告は2003年6月開催のAPEC漁業ワーキンググループで審議される見込みで、2003年2月のFAO水産委員会の開催までにFAOにも暫定版として結果を報告することとなった。【水産庁】