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環境ニュース[国内]

2000/2001年南氷洋鯨類捕獲調査結果 南氷洋の水温変化に対応し、鯨種の分布状況に違い見られる

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2001.04.09 【情報源】水産庁/2001.04.06 発表

 水産庁では、2000/2001年の南氷洋鯨類捕獲調査(西脇茂利調査団長)に従事する調査母船「日新丸」、調査標本採集船「勇新丸」、「第1京丸」、「第25利丸」及び目視専門船「第2共新丸」の帰還、入港を発表した。
 今回の調査は平成12年11月17日に山口県下関港あるかぽーとより出航し、南氷洋5区及び6区の一部の海域において、ミンク鯨440頭を捕獲した。調査実施機関は財団法人日本鯨類研究所。
 南氷洋鯨類捕獲調査は、国際捕鯨委員会(IWC)を設置した国際捕鯨取締条約第8条に基づき実施されている調査であり、南氷洋におけるミンク鯨を主とする鯨類に関する生物学的及び資源的データの収集、鯨類を中心とする南氷洋の環境及び生態系の解明を目的に実施しているもの。1987/88年に開始以来、今回の調査が14回目の調査となっている。
 また、本年の調査では、5,393頭(2,079群)のミンク鯨を発見した。これは一昨年の同海域での調査の発見数3,392頭(1,027)群を上回るものである。また、同海域で発見された鯨類の総数は10,452頭(3,366群)であり、ミンク鯨はその52%、群数で62%を占めていた。水産庁では、「このことは南氷洋におけるミンク鯨資源の頑強さを示すものである」としている。
 さらに、今回の調査区域である5区西側海域全体が摂氏1度から4度と南氷洋としては比較的高い水温帯で覆われているためか、鯨種の分布組成について、他の調査海域とは異なる状況がみられた。具体的には、5区西側海域で、ミンク鯨が優占種であることには変わりはなかったが、ミンク鯨は同海域の南側に偏在し、海域の北側では、これまで南氷洋では発見がまれであったドワーフミンク鯨が広く分布しているとともに、ザトウ鯨やナガス鯨などの大型ヒゲ鯨類が氷縁近くまで広く分布していた。水産庁では、この分布状況は、鯨類が索餌場である南氷洋の水温変化に柔軟に対応し、行っている摂餌戦略の一端を示すものであると分析している。【水産庁】

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