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環境ニュース[国内]

キリン、長野の自社管理ブドウ畑の生態系調査で希少な植生を発見、保全活動を開始

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2016.12.01 【情報源】企業/2016.11.24 発表

 キリンは、長野県上田市の自社管理ブドウ畑「メルシャン椀子(マリコ)ヴィンヤード」で生態系調査を実施し、希少な植生を発見した。同社はキリンホールディングスのグループ企業で、総合飲料事業を手掛けている。これを受け、従業員が参加して希少種を含む在来植物を再生・保全する活動を10月に開始した。約20haの面積があり、遊休農地をブドウ畑に造成した。

 ブドウ畑は広大な草原でもあり、専門家を招いて行った生態系調査で、258種類の野生植物と30種類の植栽種を確認した。国レベルの絶滅危惧植物のスズサイコ、絶滅が心配されるチョウ類のオオルリシジミやオオムラサキの食草として機能するクララ、エノキが育っていた。カワラナデシコ、メハジキ、キスゲなどの希少種も見付かった。

 一般的な棚栽培ではなく、ワイン用のブドウ栽培に適した垣根栽培のブドウ畑は、地面が牧草や在来種のイネ科植物で覆われ、年に数度下草刈りをする。これによって強い外来種だけに覆われることがなくなり、草原性の在来種や希少種にも日が当たり、ブドウ畑の草原で生育できる。ブドウ栽培は草原を守り、希少種の保全につながる。

 再生・保全では専門家の指導を受け、ブドウ畑と周辺で見付かった希少種と代表的な草原の在来種が生育していた場所の植物の一部を秋に刈り取り、ブドウ畑の中の再生予定地に敷いた。種が散布されて芽を出せば再生されたことになり、昆虫が捕食や移動に利用する緑地帯になると期待できる。畑の中での植生再生は日本で初という。【キリン株式会社】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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