一般財団法人環境イノベーション情報機構
オランダ環境評価庁、船舶の窒素酸化物排出削減のコストと利益を比較
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2012.06.21 【情報源】オランダ/2012.06.06 発表
オランダ環境評価庁とデンマーク環境省が主導して実施した2つの新たな調査で、北海を通る船舶の窒素酸化物(NOx)排出量削減は、人の健康と環境に大きな利益をもたらし、その利益は削減の費用を上回るという結論が出された。これは、2016年以降に北海とイギリス海峡に窒素排出規制海域(NECA)を設定することへの費用便益分析を、北海沿岸8カ国が共同で依頼した独自調査の結果である。この結果を受けて8カ国は、海洋汚染防止条約(MARPOL)に基づき、国際海事機関(IMO)に北海のNECA指定を求める見通し。NECAに指定されると2016年以降、航行船舶はNOxの排出を現行比75%弱削減するよう求められる。北海から内陸部へと風で運ばれるNOxの量が減少することで、北海周辺地域の大気質が改善され、費用対効果は高いという。船舶のNOx排出量を75%削減させるための技術には、DeNOx触媒システム、排ガス再循環システム、重油に代わる液化天然ガス使用の3種類がある。今後に向け、北海沿岸諸国は2012年10月に会合する予定である。【オランダ環境評価庁】