一般財団法人環境イノベーション情報機構
底質ダイオキシン類対策の統一化に向け、「河川マニュアル」と「港湾指針」が改訂
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2008.05.19 【情報源】国土交通省/2008.05.16 発表
国土交通省では、「河川、湖沼等における底質ダイオキシン類対策マニュアル(河川マニュアル)」と「港湾における底質ダイオキシン類対策技術指針(港湾指針)」の改訂について公表。従来、国土交通省においては、河川における底質ダイオキシン類の対策には「河川マニュアル」(平成17年3月、河川局))により、また港湾における底質ダイオキシン類対策には「港湾指針」(平成15年12月、港湾局)に基づいて調査、対策工及びモニタリングを実施してきた。
ただ、潮汐・流れ等の自然条件や農業用水・漁業等の利水条件の違いなど河川と港湾の特性の違いから、「河川マニュアル」と「港湾指針」の考え方に一部相違する点等があったことが指摘されてきた。河川と港湾が連続する地域等において、ダイオキシン類対策の円滑な進行を図ることなどを目的に、平成18年度に河川局及び港湾局が合同で委員会を設置し、公共事業共通の新たな技術基準や処理工法に関する考え方をまとめている( http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/11/110720_.html )。このたび、この考え方等を踏まえて、各マニュアル・指針の改訂版を策定することになったと発表。なお、これらは今後の調査結果等を踏まえて、必要に応じて見直しを図っていくこととしている。
改訂の概要は以下の通り。
・「河川マニュアル」(平成20年4月 国土交通省河川局)の改訂内容
・港湾指針の対策と基本的な考え方を統一し、ダイオキシン類を含んだ除去底質について、最終処分法の選定フローの詳細等を追加
・「底質のダイオキシン類対策技術資料集」(平成19年3月)のとりまとめを受け、分解無害化処理技術の選定フローや適用等の新たな知見を追加
・工事完了後のモニタリングについて、期間や頻度を新たに明確化
※改訂にあたっては、「流域水環境研究会」(座長:楠田哲也 北九州市立大学大学院教授)の指導、助言を得ている。
※URL: http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/kankyo/kankyou/dioxin/080516_dioxin_manual_kasen.pdf
・「港湾指針」(平成20年4月 国土交通省港湾局)の改訂内容
・河川マニュアルの対策と基本的考え方を統一し、対策の選定にあたって、ダイオキシン類を含んだ底質が、流況により移動しやすい水域等では、まず原則として掘削除去処理を選定することを検討すべき旨等を追加
・覆砂による対策を行う場合、用いる覆砂材については、ダイオキシン類の吸着効果の点から、有機物や粘土・シルト分を含んだものが望ましいという新たな知見を追加
※URL: http://www.mlit.go.jp/common/000015174.pdf