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環境ニュース[国内]

トドの年間人為的死亡許容頭数を227頭に 上陸個体数増に伴い、水産庁が北海道連合海区漁業調整委員会で提示

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.08.13 【情報源】水産庁/2007.08.10 発表

 日本海沿岸に上陸するトドの数が1990年以降増加していることから、水産庁は、北海道周辺海域へ出現するトドの年間人為的死亡許容頭数を227頭に引き上げるべきだとする算定結果をまとめ、2007年8月9日開催の北海道連合海区漁業調整委員会で提示した。
 トド・アジア系群の資源量は1980年代までは急激に減少していたが、90年代初頭以降は緩やかな増加に反転。ロシア全域の個体数は89年以降年1.2%で増加しており、04年に繁殖場・上陸場で確認された個体数は、ロシア全域で1万5,676頭に達している。また90年代以降繁殖場が形成されたサハリン南部では特に、個体数が顕著に増加しているという。
 北海道ではこれまで、年間最大116頭のトドの採捕を認めて駆除事業を実施していたが、近年、上陸個体数の増加に伴い、破網や食害など、トドが漁業に与える被害も増大。科学的根拠に基づく採捕頭数の設定が各方面から求められていた。
 水産庁は今回の年間人為的死亡許容頭数の算定にあたって、04〜05年度に航空機からの目視調査を実施し、冬季に北海道に出現するトドの個体数を6,767頭と推定した。227頭という値は、この推定出現数をもとに、「生物学的間引き可能量(注1)法」を利用し、算定されたもの。
 なお、年間人為的死亡許容頭数の中には、年間最大107頭にのぼるとみられる混獲による死亡も含めるべきとされている。混獲によって死亡した分を除くと、北海道の採捕許容数は海没を含め、120頭となる見込み。【水産庁】

(注1)資源を最適持続個体数に近づけ、維持するために許容される人為的死亡数を算定する方法。PBR(Potential Biological Removal)法ともいう。

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