一般財団法人環境イノベーション情報機構
諫早湾中央部、湾奥部佐賀県側などで貧酸素状態確認 8月の有明海水質調査結果
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2001.09.20 【情報源】環境省/2001.09.18 発表
環境省は「有明海水質等状況補足調査」を平成13年8月5・6日に実施し、その結果をとりまとめた。有明海のノリ不作問題に関連して、同省では、従来から関係県で実施している水質モニタリングに加え、平成13年2月に有明海の水質状況緊急調査を実施したが、今回の調査は有明海の夏季の底質、底生生物の状況を把握しようとするもので、調査項目についてはほぼ2月の調査と同様の内容である。
調査の結果、2月とは異なり、湾央から湾奥部と諫早湾で水温・塩分に顕著な成層が見られた。また2月には、上下層ともほとんど溶存酸素が飽和濃度を超えていたが、今回の調査結果では、湾奥部を中心に上層でも飽和濃度を下回る地点が多く、下層では湾奥部佐賀県側と諫早湾の中央部・湾口部で貧酸素状態の調査地点が認められた。なおこのうち、諫早湾中央部、湾奥部佐賀県側西部では、底生生物の個体数が少なかったことも確認されている。
環境省では、この調査結果に見られた現象が本年度特有のものであるかは不明であり、発生要因やノリ不作との関係は現時点では明らかになっていない、としており、今後もモニタリングを継続の上、検討を進める姿勢。
なお今回の結果は、9月20日に農林水産省で開催される有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会にも報告される。【環境省】