一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

洋上転載管理規制の導入決定 全米熱帯まぐろ類保存委員会第74回本会合

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2006.07.03 【情報源】水産庁/2006.07.03 発表

 2006年6月26日から30日にかけて、韓国の釜山で全米熱帯まぐろ類保存委員会(IATTC)第74回年次会合が開催された。
 全米熱帯まぐろ類委員会は、東部太平洋のかつおまぐろ類の保存・管理を目的とした地域漁業管理機関。日本は1970年に加盟している。
 今回の会合にはIATTC加盟国15か国と、ベリーズ、ボリビア、カナダ、EC、コロンビア、中国、台湾などがオブザーバーとして出席し、(1)キハダ、メバチの保存管理措置、(2)まき網漁獲物の全量投棄禁止、(3)洋上転載(注1)管理、(4)非加盟国漁業対策、(5)海亀混獲対策−−などの議題を検討した。
 このうち、キハダ、メバチの保存管理措置については、メバチ資源の悪化を理由に日本がまき網の休漁期間延長などを内容とする科学勧告の受入を求める提案を行ったが、スペイン、エクアドルなどまき網漁業国がこれに同意しなかったため、現行の休漁期間・はえ縄の漁獲量制限が1年延長されたにとどまった。また、まき網漁獲物の全量投棄禁止についても、日本の提案により、まき網により混獲された小型まぐろ類の投棄禁止規制が1年間延長された。
 洋上転載管理については、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)やインド洋まぐろ類委員会(IOTC)で採択されたものと同様の運搬船へのオブザーバー乗船制度(注2)導入が決定されたほか、非加盟国漁業対策では、メバチを対象とした操業を行わないことを表明したベリーズ船の違法・無報告・無規制(IUU)漁船リストから削除し、同国を「協力的非加盟国」として扱うことが承認された。
 さらに海亀混獲対策では、オブザーバーの乗船プログラム実施などが検討されたが、スペインがこの混獲削減措置導入に難色を示したため、07年に検討が持ち越された。

(注1)違法漁獲手法の1つ。IUU(違法、無報告、無規制)漁船の漁獲物を運搬船に転載する際に、正規漁船の漁獲物として漁獲海域・船名を虚偽記載する方法が行われている。
(注2)公海での洋上転載実施を漁船の旗国の事前許可制とし、事前通報、事後報告に加え、IATTCが派遣するオブザーバーの運搬船への乗船・監視を義務付けるとするもの。【水産庁】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース

関連情報

関連リンク