一般財団法人環境イノベーション情報機構
フランス国務院 ピレネーへのヒグマ導入を支持
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2006.05.19 【情報源】/2006.05.09 発表
ピレネーへのヒグマの再導入について、畜産組合や地方公共団体、環境団体などから、エコロジー持続可能な開発大臣の決定の差し止めを求める請求が30件ほど出されていたが、フランス国務院(コンセイユ・デタ)は、5月6日の公聴会の後、これらの請求を棄却する判断を下した。急速審理を担当した判事は、環境法典R.411-8条により、種が絶滅危惧種の場合(今回はクマ)、保護種に属する動物の自然界への再導入を例外的に許可する権限が、自然保護担当大臣に与えられることを強調。また、今回のケースでは、絶滅危惧種の保護によって、現存する利益以外に、過剰な被害が生じることを証明することはできないとした。
いずれにせよ、今回は、5頭の再導入を決定しただけで、複数年にわたる増殖強化プログラム全体を決定したわけではない。判事は、国内・国際的な特別保護種の保護を目指す大臣の決定について、住民や地方議員との幅広い協議を経ており、また、被害を予防する措置も用意されており、差し止めを正当化するに足る十分な疑いをもたらすものではないとした。【フランス エコロジー・持続可能な開発省】・【フランス国務院】