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環境ニュース[海外]

欧州司法裁判所 欧州共同体に、環境保護のための刑罰制定を加盟国に求める権限認める

環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2005.10.04 【情報源】EU/2005.09.13 発表

 「刑法による環境保護に関する欧州閣僚理事会枠組み決定(2003/80/JHA)」の有効性をめぐり、欧州閣僚理事会と欧州委員会が争っていた訴訟で、欧州司法裁判所は、9月13日、閣僚理事会の当該決定を無効とする判決を下した。
 閣僚理事会の当該決定は、環境を悪化させる特定の行為を犯罪とするものだが、刑罰の選択は、各加盟国に委ねられていた。閣僚理事会は、欧州連合条約に基づき、刑事問題における国家間の警察・司法協力の一環として、当該決定を採択した。
 一方、欧州委員会は、当該決定の目的及び内容は、EC条約に基づいて欧州共同体に与えられている環境に関する権限の範疇に属するものだと主張していた。
 実は、欧州委員会は、2001年に「刑法による環境保護に関する指令案」を提出していた。しかし、閣僚理事会は欧州委員会案を採択せず、代わりに当該決定を採択し、当該決定の対象となる犯罪行為について、欧州共同体が各加盟国に刑罰を課すよう求めることはできないとしていた。
 裁判所は、当該指令の主な目的は環境保護であり、その条項の多くは、EC条約によって適切に採択できたはずのものだったと認定。そして、確かに、一般原則としては、刑法も刑事手続規則も欧州共同体の権限内には含まれないが、権限を持つ国家機関によって刑罰を課すことが、深刻な環境犯罪への対策として不可欠である場合には、欧州共同体の立法機関が、環境保護規制を十分有効なものとするために必要な、各加盟国の刑法に関する措置を講じることを妨げるものではない として、閣僚理事会側の主張を退けた。【欧州司法裁判所】

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