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環境ニュース[海外]

UNEP登山隊 ヒマラヤへの温暖化の影響を確認

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2002.06.17 【情報源】国連/2002.06.05 発表

 UNEPの後援する登山隊は、エベレストから、温暖化の山岳地帯に対する悪影響が大きいというコメントを寄せてきた。50年前、人類が初登頂を果たした時から、エベレストの氷河は5キロも後退している。
 5月16日にカトマンズから出発した一行は、6月1日に下山し、6月5日・世界環境デーに報告をした。一行のリーダのIan MacNaught-Davis氏(元イギリステレビの科学番組のプレゼンター)は、「同行シェルパのTashi Janghu氏がこの20年間で氷河が確実に後退していること、及び氷が溶けつづけ、低地・谷に流れこむことを深く憂っている」とコメントした。現に近年は洪水が頻発し、最近の洪水では、木の橋を押し流してしまうほどであった。
 UNEP及び国際総合山岳開発センター(The International Centre for Integrated Mountain Development)に所属する科学者達は人工衛星と地上観測から、氷河湖が膨張しつつあり、5年以内に決壊する可能性があると指摘している。温暖化と観光客の増加が、エベレスト地域における植生に影響をもたらしている。
 もっともここ15年の植林の成果により、森林の面積は増加傾向にある。
しかしながら、観光客の燃料確保のため、セイヨウネズなどが多く植林され、野生生物に影響を及ぼしている。このような状況に対し、植林の種類を変更するなどして対応している。しかし、シェルパ達は、こうした状況でも観光登頂を減らすべきではないとしている。シェルパ達は「我々の経済、教育をささえるツーリズムを減らすわけにはいかない。ただしツーリズムをより負担のかからない方法に変えることはできる。我々の手に負えない問題は温暖化であり、これらの問題はヨーロッパ、アメリカ、日本といった国の手にゆだねられている」とコメントしている。【UNEP】

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