欧州環境庁、2010年の温室効果ガス排出量年次報告書を公表

【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2012.06.12 【情報源】EU／2012.05.30 発表

　欧州環境庁は、欧州連合域内における2010年の温室効果ガス排出量に関する年次報告書を公表した。これによると、全加盟国27ヶ国における温室効果ガス排出量は、1990年比で15.4％減少、2009年比では2.4％増加となった。加盟国15ヶ国では、京都議定書で定められている基準年比で11％減少となった。2009年比で排出量が増加した要因として、景気回復（2010年のEU内GDPは前年比2％増）を挙げている。さらに、最終エネルギー需要の増加（2010年は3.7％増）も排出量増加に影響した上に、2010年の冬は、前年よりも寒く、暖房需要が高まったことを挙げている。一方で、再生可能エネルギーの利用は増えており、12.7％増加したことが報告されている。また天然ガス価格の大幅下落により、天然ガス利用が7.4％増加。天然ガスの利用増加は、多くの加盟国において化石燃料による炭素排出状況の改善につながっているとしている。年次報告書は、欧州連合の公式な報告書として気候変動に関する政府間パネル事務局に提出される。2011年の排出速報値については、今秋、公表予定である。【欧州環境庁】