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環境ニュース[海外]

気候変動防止政策は、雇用・輸出の促進に資する

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.12.07 【情報源】ドイツ/2001.11.27 発表

 ドイツの気候変動政策の進展は、ドイツ経済の強い競争力を生み出している。2001年3月に公表された研究報告「気候変動と雇用」でも、2020年までにドイツにおいて、電力業界と合意した脱原発を考慮に入れて、40%のCO2削減が可能であり、同時に雇用に好影響を与えることが示された。
 また、ドイツの気候変動政策の成功は、ドイツ製品の輸出力を高めている。電力技術は、昨年、世界最高水準に達し、アメリカ合衆国のカリフォルニアにおける電力危機に際しても、ドイツ製の高効率のガスタービンが用いられた。これは、発電効率57%以上、コジェネレーション効率は90%以上を誇る。環境の観点で頂点を極めるのみならず、発電の将来を見据え、その経済性の点でも評価される。
 さらに、建設部門でも、これまでのドイツの一貫した気候変動政策がなければ、「スマート・ハウス」なども生まれなかったであろう。理想的な断熱構造、進んだ暖房技術、統合的な管理システムにより、数年前には考えられなかったほどのエネルギー効率を達成している。外部からのエネルギー供給の必要がない建物も決して夢物語ではなくなりつつある。次のステップは、ガス・ヒートポンプの開発・導入である。さらに、復興信用銀行のCO2削減プログラムは、20億マルク(1000億円)の連邦財源を投入することにより、建設分野で10億マルク(500億円)の投資を引き出し、この分野での気候変動政策に大きく貢献している。
 家電製品の分野でも、一貫した気候変動政策により技術革新がもたらされ、消費者に対しエネルギー効率性の情報が与えられるようになった。試算によれば、平均的な家庭で、気候変動対策に資するような製品を用いることにより、1年あたり150マルク(7500円)の節約にもなる。これは、トータルで、大型原子力発電所2つあるいは大型石炭火力発電所3つ分の電力に相当する。
 その上、再生可能エネルギー法、「10万の屋根にソーラー発電を」プログラム、バイオマス令等の手法を用いた、ドイツの一貫した気候変動政策は、例えば、風力発電を世界一の地位に押し上げた。同様に、太陽熱集熱器、ソーラー発電、バイオマス利用等についても進展が見られる。これらの技術は、国内市場にとって有益なものであるばかりでなく、輸出にも供される。
また、これまでの間に、再生可能エネルギーだけで、5万ないし7万の雇用が生み出されたと試算されている。【ドイツ連邦環境省】

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