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環境ニュース[海外]

欧州委員会、新たな「エリカ」号事故を防ぐ第二次手法パッケージを採択

地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU/2000.12.06 発表

 欧州委員会は、石油タンカー「エリカ」号沈没以降、本年3月に提出されていた規制の提案、すなわち、海上交通管理・情報システム、油濁汚染補償基金、欧州海上保安庁(European Maritaime Safety Agency)の設立を内容とする、第2次政策パッケージを採択した。
 この「エリカII」パッケージは、次の3つにより構成されている。

●海上交通管理の厳格化
 第一次政策パッケージから、基準以下の船舶が回避しないことを確保するため、委員会は欧州共同体の水域を通過する船舶のモニタリング及び規制計画を強化することを提案。新しい指令のための提案には、共同体の港に寄港しない船舶をも対象とする通知システムが含まれている。これは、EUの水域内を航行する船舶に、自動認識システム及び飛行機のような「フライトレコーダー」の搭載を求めるもので、事故調査を容易にする目的がある。また、船舶の遭難は悪天候下で発生することから、この指令の下では、このような天候では出港が許可されない。加盟国には、危険な状況にある船舶のための避難港の設置が義務付けられる。


●沿岸域の汚染損害に対するより補償の充実
 石油タンカーにより発生した損害についての補償の現在のルールは1970年に国際海事機構の支援により起草されたものである。委員会は、新たに欧州汚染損害補償基金(European pollution damage compensation:COPE Fund)を設置し、現行規則の下での2億ユーロ(200億円)の上限を超える部分について、10億ユーロ(1000億円)を上限に追加的補償を行うものである。この基金により、共同体の水域におけ
る油濁被害は直ちに完全な補償が行われ得る。基金は石油を輸入する欧州の企業により出資される。海路で石油を移動させるあらゆる人の過失ある行為について、加盟国が罰金を課すことも盛り込まれている。


●欧州海上保安庁の設立
 欧州海上保安庁は50人までのスタッフで、委員会及び加盟国に対し、遵守やモニタリングをサポートするとともに、海上安全措置の評価を行う。その他、情報収集及び海上安全に関するデータベースの運営、船級協会(船舶の格付け機関)の評価及び検査、加盟国が寄港国として実施する検査における立ち入り調査の組織化もこの機関の業務に含まれる。

 これらの提案は第一次「エリカ」パッケージと共に一つのパッケージをなしており、委員会としては、理事会、欧州議会がなるべく早第一次パッケージを含む提案の採択を望んでいる。【欧州委員会環境総局】

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