一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP地球環境概況2003年版 世界の海洋の「デッド・ゾーン」を指摘
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2004.04.14 【情報源】国連/2004.03.29 発表
海洋生物の生息が困難になるほどの低酸素地域「デッド・ゾーン」が、世界の海洋中に150ヵ所もあることが、UNEPの「地球環境概況2003年版(GEO Year Book 2003)」で示された。デッド・ゾーンは、主に窒素による富栄養化と関連しており、肥料や車、工場からの排出物、廃棄物等が起源となっている。デッド・ゾーンは1平方キロの小規模なものもあるが、7万平方キロといった大規模なものもある。緊急に肥料、廃棄物、大気汚染を削減するような行動をとらないと急速に拡大するおそれがある。アメリカのチェサピーク湾や、バルト海などでは、早くからその存在が知られていたが、最も酸素の少ない地域はメキシコ湾である。他に、南米、中国、日本、オーストラリア南東部などでも見られる。なお、今回公表された地球環境概況2003年版は、GEOシリーズの年次報告書として、初めてのもの。2002年に公表された「GEO-3」の成功を受け、その付属版として公表された。デッド・ゾーン問題の他、カルタヘナ議定書の発効、自然災害のコスト等の問題が取り上げられている。【UNEP】