一般財団法人環境イノベーション情報機構
2004年の大気質指標 暫定報告を発表
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2005.02.01 【情報源】イギリス/2005.01.13 発表
イギリスで、昨夏の猛暑をピークとして、2004年の大気質は通常通り、低水準に落ち着いてきたことが、最新の情報から明らかとなった。1月13日に発表された、イギリス環境・食糧・地方省の暫定版「2004年大気質指標」は、大気汚染濃度が「高い」、あるいは「普通」とされた日数は、観測地点当たり、都市部で22日間,地方部で41日であった。都市部については、2000年から2002年と同様の低水準であり、汚染濃度が減少していく長期的傾向と合致している。地方部では2000年から2002年よりも高い水準になったが、これはオゾン濃度の変動が主な要因となっている。
他の汚染物質についても大枠での目標は達成されているが、粒子状物質やSO2,NO2については、EUやイギリスの目標達成に向け、改善の余地があると見込まれている。
なお、同省は,1月13日付で、大気戦略の評価に関する報告書も発表しており、道路輸送や電力供給会社などにおいて、大気汚染物質の削減が達成されていることが示されている。報告書のポイントとしては、1990年から2001年の間に、道路交通政策によって、SO2を96%(年間77000トン)削減することに成功、2001年には4225人の早期死が回避されたと推計されることなどが挙げられる。
ウィッティ大臣は,今回の暫定結果を歓迎し、鉛,一酸化炭素,ベンジン,1.3-ブタジエンという4物質については、目標が達成されたと述べた。一方で、大気質の戦略や気候変動プログラムを練り直しながら、今後どのような対策を講じていくか検討していくと述べた。【イギリス環境・食糧・地方事業省】