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環境ニュース[海外]

UNEP 小型クジラ類保護のため、EU共通漁業政策の見直しを示唆

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2001.04.25 【情報源】国連/2001.04.14 発表

 北海のイルカ、ネズミイルカ(porpoises)の個体数を回復するためには、漁業網に巻き込まれて殺されてしまう数を早急に制限する必要がある。こうした勧告が、UNEP の支援する国際保全条約のメンバーによって作成されている。
 バルト海および北海の小型クジラ類に関する協定(the Agreement on Small Cetaceans of the Baltic and North Seas; ASOBANS)は、欧州委員会に対して、保全改善策の第一段階として、網に巻き込まれて死んでしまう海洋哺乳類の数を、毎年、全個体数の 1.7% 以下に制限するよう求めた。
 そして、これらの「副次的捕獲制限(by catch limits)」が共通漁業政策(the Common Fisheries Policy; CFP)の検証の一部を形成するようになることが望ましいとした。UNEP の Toepfer 事務局長は、「北海およびその隣接水域において、1年に小型クジラ類の 6% が網に巻き込まれて死んでいることが研究により明らかになっている。科学者は、副次的捕獲もこのレベルになると持続可能とは言えず、保全努力を害するものであると勧告している。CFP を見直すという決定は、イルカおよびネズミイルカへの脅威に取り組むために絶好の機会となるものである」と述べた。
 ASCOBANS の新議長に選出された Tasker 氏は、ピンガー(訳注:波動音発振装置。音を発するので海洋ほ乳類に危険を知らせる)は、漁師が副次的捕獲を減らすのに資するとしている。
 ASOBANS は、1991 年に締結された。当事国は 8 か国。
 なお、EUの共通漁業政策改革に関するグリーン・ペーパー案は、2001年3月に欧州委員会によって公表された。この改革作業は、2002年12月に完了することになっており、新政策は、 2003 年 1 月から実施される予定。【UNEP】

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