一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境省、クリーンエネルギー移行は順調だが土地利用部門が課題と報告
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.07.15 【情報源】フィンランド/2025.06.27 発表
フィンランド環境省は、「年次気候報告書2025」を発表した。同書によると、
・同国の2024年の正味排出量は前年比1%減少した。
・排出量取引制度(ETS)対象部門(大規模産業・エネルギー製造施設等)の排出量は14%減少、特にエネルギー・熱製造の減少が大きい。
・石炭使用は半減、泥炭(ピート)使用は3分の1減少し、火力発電量は減少。
・風力・原子力発電量は大幅に増加した。
・正味排出量の半分を占める努力分担部門(交通、農業、建物用暖房、廃棄物処理、ノンロード車両、Fガス、中小産業、熱供給プラント等ETS対象外の部門)の排出量は、1%減少した。
・努力分担部門最大の排出源の交通は4%増、農業は前年並みであった。
・交通の排出増は再生可能エネルギーの供給減による。
・土地利用部門の排出は、前年より増加した。樹木等の吸収量は排出量をもはや相殺せず、部門全体では2018年から、森林は2021年から純排出源である。
・土地利用部門を除いた正味排出量は6%減で、2035年までの炭素中立達成には同部門の追加的な排出削減策が必要である。
【フィンランド環境省】