一般財団法人環境イノベーション情報機構
砂漠化対処条約、世界的な土地劣化危機に警鐘
【地球環境 砂漠化】 【掲載日】2024.12.17 【情報源】国連/2024.12.01 発表
砂漠化対処条約(UNCCD)は、報告書「危機的状況からの退避:プラネタリー・バウンダリー内にとどまるために土地管理を変革する」(注)を公表した。プラネタリー・バウンダリーの観点から、土地劣化の現状を明らかにし、取り返しがつかなくなるほど地球の環境容量が損なわれる前に早急に取るべき対策(食料栽培や土地利用の方法などについて)を示している。
主旨は以下のとおり。
・土地は地球システムにおいて中心的な役割を果たしている。
・土地の劣化は人間の生存を支える地球の環境容量を損なっている。
・土地の劣化に歯止めをかけて事態を好転させなければ、何世代にもわたって難題を抱えることになる。
・プラネタリー・バウンダリーの9つの指標のうち7つが、持続不可能な土地利用によって負の影響を受けている。
・温室効果ガス(GHG)排出量の23%、森林減少の80%、淡水使用の70%は農業に起因する。
・森林消失や痩せた土壌は、飢餓や移住、紛争に拍車をかける。
・人間が地球の環境容量の範囲内で繁栄を続けていくには土地利用の変革が不可欠である。
(注)「Stepping back from the precipice:Transforming land management to stay within planetary boundaries」
「プラネタリー・バウンダリー」を提唱したポツダム気候影響研究所(PIK)のロックストローム所長が報告書作成の指揮をとっている。2024年12月2日からサウジアラビアで開催されるUNCCD第16回締約国会議(COP16)(テーマ:私たちの土地、私たちの未来)に先がけての公表となった。
【砂漠化対処条約】