一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、残留性有機汚染物質はなお高濃度で残留し、代替物質も問題と報告
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2024.07.03 【情報源】国連/2024.06.17 発表
国連環境計画(UNEP)は、ストックホルム条約(POPs条約、2004年発効)に基づく残留性有機汚染物質(POPs)全球モニタリングプラン(GMP)の結果を発表した。GMPは、POPsの全球分布と傾向を明らかにするもの。今回はその第2フェーズ(GMP2)で、地球環境ファシリティ(GEF)とともに、2016年からアフリカ、アジア、南米・カリブ諸国、太平洋諸島の42ヶ国において母乳、大気、水、土壌、食品などから採集した900以上の試料を分析した。途上国の残留POPsに関する初のデータとなる。DDTなど12種は世界的な規制により減少した。母乳中DDTの世界平均濃度は2004年以降70%以上も低下したが、過剰使用された国々ではDDTはいまだに母乳中に遍在しており、ディルドリンやPCBなど規制されて長い化学物質も、アフリカ、南米・カリブ諸国の大気中で高濃度が確認された。PFASを例として、代替品も後にPOPsと同様の特性をもつことが明らかになる場合もある。モニタリングや分析の質の向上が望まれる。
【国連環境計画】