一般財団法人環境イノベーション情報機構
経済協力開発機構、気候変動に強いインフラ構築には大規模投資が必要と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2024.04.25 【情報源】国際機関/2024.04.09 発表
経済協力開発機構(OECD)は、報告書「気候変動に強い未来のためのインフラ」を公表した。2023年は、世界平均気温が産業革命前を約1.4℃上回る過去最高を記録し、熱波や洪水の増加、森林火災シーズンの長期化、干ばつの拡大をもたらした。こうした気候現象により、インフラ(電力・通信・輸送網、水・廃棄物処理等)への負荷が増大。過去50年で災害による経済損失は大幅に増加し、2010年代は1兆6,000億ドルに達した。このうちインフラの損害が大きいという。
報告書では、政府がインフラ計画や意思決定に気候回復力を組み込み、社会・経済的脆弱性の軽減、長期的コストの回避を図ることを推奨。OECD等の分析では、持続可能な開発目標・パリ協定の目標達成には、2030年までに年6兆9,000億ドルのインフラ投資が必要だという。途上国(特に後発開発途上国、小島嶼開発途上国)は、OECD諸国の10〜30倍の気候関連災害に曝されており、新たな国際協調や開発銀行の資金動員拡大の必要性、自然ベースの解決策の有効性を指摘した。
【経済協力開発機構】