一般財団法人環境イノベーション情報機構
ワシントン条約トラ対策作業部会 第1回会合を開催
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2001.04.12 【情報源】国連/2001.04.02 発表
4月2日から4日まで、インドのニューデリーにおいて、ワシントン条約(CITES)のトラ対策作業部会(the CITES Tiger Enforcement Task Force)の第1回会合が開かれている。この対策委員会のメンバーは、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ネパールなどのトラの分布域と、カナダやオランダなどの消費国の双方からの専門家および職員である。この会合は、野生生物に対する罪に関する方針の強化に取り組む。具体的には、野生生物の専門的な管理組織及び密猟取締業務、司法当局及び検察当局、関係省庁間の協力や国際的な協力、インターポール(国際刑事警察機構)や世界完全機関(the World Customs Organization)との連携などである。こうした幅広い問題について進展が見られれば、危機に瀕している他の動植物種についても大きなメリットとなる。
ワシントン条約事務局長は、「ワシントン条約のトラ対策委員会は、トラを絶滅から救うための重要な一歩である。世界中のトラおよび法律の専門家が一堂に会することによって、我々は、トラの保護への技術支援を目指している」と述べた。
なお、トラ対策作業部会の設立は、2000年4月のワシントン条約第11回締約国会議で採択された、ワシントン条約トラ保護技術チーム(a CITES Tiger MissionsTechnical Team)の報告書において提言されていた。同チームの1999年報告書では、インドのトラが野生生物犯罪組織によって大量に密猟されていることを確認している。19世紀には、地球上に、野生のトラは10万頭いたが、現在では5,000頭から7,000頭にまで減ってきている。トラは、インド、ロシアから中国及び東南アジアにかけて生息している。【UNEP】