一般財団法人環境イノベーション情報機構
ボン条約、気候変動は移動性野生動物種に甚大な影響を及ぼしていると報告
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2023.12.27 【情報源】国際機関/2023.12.10 発表
ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約、CMS)は、報告書「気候変動と移動性野生動物種:影響、保護活動、指標及び生態系サービスのレビュー」を発表した。報告書は、次のような例から、気候変動が移動種とその提供する生態系サービスに壊滅的影響を及ぼし始めていると警告している。・餌になるオキアミの繁殖・生存の変化
・極方向への移動の進行、移動と繁殖の時期の早期化、繁殖時期と餌生物が豊富な時期のずれ
・湿地や河川流量の減少で魚類、水鳥の移動が変化
・土砂災害など気候関連災害による生息地の破壊
・海流の変化が海鳥、海洋哺乳類に影響
・移動種が提供する気候変動適応機能の減退(海鳥の糞化石(グアノ)が海岸浸食を防ぐサンゴ礁の栄養源となるなど)
保護区ネットワークの設立や地域に根差した保護策、さらには移殖/移植はじめ直接の介入など緊急の取組が必要だという。2024年2月12〜17日には、ウズベキスタンのサマルカンドでCMS第14回締約国会議が開催される。
【ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約)】