一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象会議、雪氷圏の急速な変化に早急かつ協調的な対策が必要だとの決議を承認
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2023.06.14 【情報源】国際機関/2023.05.29 発表
2023年5月22日から始まった世界気象会議において、急速に変わりつつある雪氷圏に対し早急かつ協調的な対策が必要だとの決議が承認された。同会議は世界気象機関(WMO)の最高議決機関で、4年に1回開催される。WMOは、海氷の減少、氷河や氷床、永久凍土、雪の融解が海面上昇や水関連の災害、水の安全保障、経済、生態系に与える影響が増していることに鑑み、雪氷圏を最優先課題のひとつに据えていく。会議では、北極の永久凍土は、大気中の2倍の量の炭素を貯蔵しているという点で温室効果ガス(GHG)の「眠れる巨人」であり、融解が進んでいることで自然災害の連鎖が起きるリスクが高まっていることなどが報告された。各国の代表者からも、南極や北極、高山地域で起きていることが地球全体、特に小島嶼国と人口密度の高い沿岸地帯に影響を与えていることに懸念が表明された。決議は、観測・予測やデータ共有、研究、気象サービスを一層協調して行うことや、通常の予算に加えて予算外の資金も動員して対策を強化することが必要だとうたっている。
【世界気象機関】