一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、抗微生物薬耐性対策における環境取組の強化を要請
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2023.02.22 【情報源】国連/2023.02.07 発表
国連環境計画(UNEP)は、報告書「スーパーバグ(超多剤耐性菌)への備え」を発表し、ワンヘルスアプローチに基づく抗微生物薬耐性(AMR)対策における環境取組の強化を要請した。WHOが健康への十大脅威の一つとするAMRは、2019年に直接間接に495万人を死亡させた。2050年までにAMRを直接の原因とする死亡数は年1000万人となるという。GDP低下、貧困化など経済的影響も大きく、特に途上国に被害が集中する。現在、河川・湖沼・海洋などの水系は、生産活動や社会生活からの排水・廃棄物で汚染されている。汚染された水系は病原巣となって、薬剤耐性微生物を発生・拡散させる。温暖化が発生を促進し、生態系の微生物多様性が消失する。報告書は、AMR対策と気候変動・生物多様性・汚染廃棄物対策は一体であるとし、次の取組を提言している。
・各国内の規制枠組・協力体制の整備
・統合的水管理と上下水・衛生施設の整備のための国際取組の強化
・AMRの微生物学的指標の国際標準の策定
・資金確保
・モニタリング、サーベイランス、研究の強化
【国連環境計画】