一般財団法人環境イノベーション情報機構
フランス、海洋と生物多様性の保護のため浚渫土砂リサイクルへの官民約束文書に署名
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2023.02.14 【情報源】フランス/2023.01.27 発表
フランス政府は、水路や港湾の浚渫土砂の建設資材等へのリサイクルを促進する「グリーン成長のための約束(ECV)」文書に、関係者16団体とともに署名した。フランスでは船舶が航行するおよそ8500キロメートルの水路の維持管理で毎年5000万立法メートルの土砂が発生し、廃棄物として処分場に運ばれるか海洋に投棄されている。一方、建設部門では資材の砂が必要で、世界全体で毎年150億トンの砂が消費されるという。土砂の投棄も採掘も沿岸の生物多様性など環境に多大な害を及ぼしており、フランスでは2025年までに汚染沈泥の海洋投棄を禁止、貯蔵施設に送る有害・不活性でない廃棄物量も半減させる等が決まっている。今回のECVは、水路が多いオー・ド・フランス地域圏を実験地として、自然の土砂を採掘する代わりに浚渫土砂をアスファルトやコンクリートの材料として活用するための産業部門を早期に立ち上げようとするもの。政府のほか、調整機関、研究機関、水路・港湾管理者、土砂関連産業、自治体等の参加団体の実施事項が明記されている。
【フランス環境省】