一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、世界の水資源の現況について初の報告書を発表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.12.15 【情報源】研究機関/2022.11.29 発表
世界気象機関(WMO)は、年次報告書「全球水資源の現状2021」を初公刊した。2022年の国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)は、初めて各国に対し水関連対策を要請した。本報告書は、これを支援する。史上5〜7位に入る高温年の2021年は、広範な地域が異常少雨で、乾燥面積は過去30年平均を大幅に上回った。2019年以来干ばつ下の南米ラプラタ川流域初め、アマゾン南部・南東部、北米のコロラド・ミズーリ・ミシシッピ川流域が乾燥した。河川流量も減少し、流量が30年平均以下の流域面積は、平均以上の面積の2倍であった。陸水貯留量も減少し、アメリカ西海岸、南米中央部、アフリカ北部、中央アジア・中東、パキスタン、インド北部等で過去19年平均を下回った。報告書は、陸水貯留量悪化のホットスポットに、ブラジルのサンフランシスコ川流域、パタゴニア、ガンジス・インダス川上流域、アメリカ南西部をあげ、雪氷の融解進行とともに懸念する。提言に、データ収集、データの国際的な共有、早期警報システムの普及を示す。
【世界気象機関】