一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、2021年の南西太平洋地域の気候状況をまとめ気候変動による脅威の高まりを報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.12.06 【情報源】研究機関/2022.11.17 発表
世界気象機関(WMO)は、2021年の南西太平洋地域の気候状況に関する報告書を公表した。これによると、同地域においては、海面水温と海洋貯熱量が世界平均の3倍以上で上昇しているところがあり、生態系に害が及んでいるほか、海面上昇が海抜の低い国にとって存続に関わる脅威になっている。2021年に同地域で発生した自然災害は57件あり、うち93%が洪水と暴風雨であった。これらの災害によって全体で1430万人が直接的な影響を受け、経済的損害は総額57億ドルにのぼる。過去20年間と比較した経済的損害は、暴風雨によるものが30%増、洪水によるものが2倍以上になっている。報告書は、国別の損失額や気候変動適応のための投資ニーズなどについてもまとめている。気候変動の影響の矢面に立っている同地域ではあるが、早期警報サービスが行き届いていないなど、多くの国が適応手段を十分に持ち合わせていないという。国連は、今後5年間で全世界の人を対象にした早期警報システムを整備する計画で、この地域も優先して取組を進めるとしている。【世界気象機関】