一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、2021年のアジアは高温で気象関連災害多発と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.11.30 【情報源】研究機関/2022.11.14 発表
世界気象機関(WMO)は、報告書「2021年のアジアの気候の現状」を発表した。2021年のアジアの平均気温は史上5〜7位の高温で、1981〜2010年平均より0.86℃高く、昇温速度は世界平均を上回る。黒潮、アラビア海、極圏の湾部等海洋の昇温は世界平均の3倍速で進む。西アジアは干ばつ、南・東南アジア、西シベリアでは異常雨量を記録した。降雪は記録的な少なさで、極域以外で世界最大とされるアジアの氷河等の氷は異常高温・乾燥により大量に失われた。自然災害は100件を超えた。内80%は洪水と暴風雨が原因である。被害額は356億ドル、被災者数は5000万人に及ぶ。2001〜2020年の平均値に比べて、干ばつの被害額は63%、洪水は23%、土砂災害は147%と大きく上回った。死者数と被害額が大きいのは洪水、被災者数では干ばつで、豪雨・干ばつなど水関連の極端気象が被害を大きくした。WMOは、早期警報システムの強化、回復力あるインフラ・水資源管理の構築、乾燥地域の農業改良、自然ベースの対策の実施を提言している。【世界気象機関】