一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、気候変動適応策の遅れを指摘し脆弱国・地域への支援の加速を要請
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.11.21 【情報源】国連/2022.11.03 発表
国連環境計画(UNEP)はCOP27(国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第27回締約国会議)に先立ち「適応ギャップ報告書2022年版」を公表し、気候変動への適応に対する世界の取組(計画立案、融資、実行)は気候リスクの増大のペースに追い付いていないと報告した。アフリカの角地域で数年間続く干ばつ、南アジアの未曾有の洪水、北半球全域の夏の猛暑など気候リスクは増大している。損失と被害への対応の重要性から、気候変動対策では緩和と同時に適応にも焦点を当てる必要がある。
気候変動への適応に必要なコストは2030年までに年間1600億〜3400億ドル、2050年までは3150億〜5650億ドルにのぼる。UNFCCC締約国の8割超は国家適応計画を策定し内容も向上しているが、計画を行動に移すための資金が不十分である。途上国の適応策への実際の支援額は必要コストの5〜10分の1で、その差は広がっているという。報告書は、適応のギャップの拡大を防ぐため、かつてない強い政治的意思と長期的投資が緊急に必要と指摘している。
【国連環境計画】