一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、「気候取組の現状」2022年版を発表し、軌道上にある取組はゼロで、いっそうの加速が必要と強調
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2022.11.10 【情報源】研究機関/2022.10.26 発表
世界資源研究所(WRI)は、報告書「気候取組の現状」2022年版を発表した。電力、建物、工業、運輸、森林・土地、食料・農業、炭素技術、気候資金の各部門について40指標で1.5℃目標達成への取組の進捗度を評価する。目標達成への「軌道上にある」指標はゼロ、速度不足で「軌道外」は電源の再生エネルギー割合、電気自動車台数、植林など6指標、「大幅に軌道外」は発電の炭素強度、電源の未対策石炭火力割合、グリーン水素、公共交通、炭素除去技術、気候投資額など21指標、「目標から逆走」は電源の未対策天然ガス割合、鉄鋼生産の炭素強度、乗用車走行距離、マングローブ消失、農業の排出の5指標で、総じて取組の遅れが顕著である。「データ不足で評価不能」も8指標ある。
WRIは、目標達成には、「大幅に軌道外」の21指標について取組速度を最低でも2倍に、特に未対策石炭火力の段階的廃止と公共交通の拡大は6倍、セメント生産の排出削減は10倍、森林減少の緩和は2.5倍、持続可能な食事への移行は5倍にと一段の加速が必要と強調する。
【世界資源研究所】