一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、環境保護のための国家補助に関する共同体ガイドラインを作成
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU/2000.12.21 発表
欧州委員会は、加盟国が企業に与える、環境保護のための補助金に関するガイドラインを採択した。このガイドラインは、正当化され得ないような補助を排除しつつ、環境保護を促進するために効果的なツールとなる。環境保護に関する委員会の理念は「汚染者負担」原則、つまり、環境保護に係るコストを汚染を引き起こしている企業に負担させることである。一方、国家補助は、企業が汚染コストの内部化を回避することができるという点で対立的である。しかし、インセンティブまたは一時的な解決策として国家の補助を受けることは正当化される場合もある。例えば、EUの環境規制を越えて一層の環境保全を行おうとする企業への補助、あるいは、市場価格を超える再生可能エネルギー資源を開発しようとするケースなどである。
ガイドラインでは、再生可能エネルギーへの補助について、いくつかの選択肢が示されている。一つは施設への投資補助で、今回、補助率の上限が30%から40%に引き上げられた(中小企業対策や地域振興など特定の場合には50%まで)。もう一つは、運営費補助で、発電コストと市場価格との差額を埋めるもの、環境認証、外部費用が浮いた分を補助に活用するなど4つのオプションが示されている。
この他、欧州委員会は、環境税の減税についても関心を有していることから、まずはEU内の環境税の調和が第一であるとしながらも、各国が新税を導入しやすいよう特定の企業に対して、最長10年間の減税を認めた。また、新ガイドラインでは、中小企業に対する特定措置、汚染地域の回復や工場移転等に対する補助に関する規定も盛り込まれている。
このガイドラインは、官報(Official Journal)掲載後に発行し、2007年末まで有効となる。【欧州委員会環境総局】