一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、アジア地域の気候変動対策の遅れを指摘
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.11.15 【情報源】研究機関/2021.10.26 発表
世界気象機関(WMO)は、「アジアの気候の状況2020」を発表し、次のように温暖化の進行と対策の遅れを指摘した。・2020年の年平均気温は1981〜2010年を1.39℃上回り、史上最高であった。ロシア、ベルホヤンスクで北極圏の日最高(暫定)気温38.0℃を記録した。
・東アジアと南アジアの夏季モンスーンはひじょうに活発で熱帯低気圧と複合して大災害をもたらした。
・インド洋、太平洋、北極海の平均海面水温は、記録的な高温となった。アジアと周辺の海域の海面温暖化率は世界平均を上回る。特に、アラビア海、北極海の一部では世界平均の3倍である。
・北極海の海氷面積の年最小値は、1979年の衛星観測開始以来2番目に小さかった。夏季にユーラシア大陸棚と北極海航路は完全に無氷となった。
・平均海面水位の上昇率は、インド洋北部と太平洋北西部で世界平均を大きく上回る。
・アジア高山域の氷河後退は加速しており、2050年までに20〜40%減少する。
・一方、取組は遅れ、現状のままではSDGsの目標のうち達成見込みは1割以下である。
【世界気象機関】