一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、パリ協定の1.5℃努力目標達成にはG20諸国の取組が重要と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.10.04 【情報源】研究機関/2021.09.16 発表
世界資源研究所(WRI)はドイツのNPOと共同で、G20諸国による排出削減の強化と途上国への気候関連融資がパリ協定の気候目標達成に不可欠であるとする報告書を作成し発表した。G20諸国は世界の温室効果ガス排出の75%を占めており、この20ヶ国だけでも1.5℃目標に沿った排出削減目標を設定して2050年までに排出実質ゼロを実現すれば、今世紀末の温暖化は1.7℃に抑えられるという。そのために、現行の国別約束(NDC)と法的拘束力のある実質ゼロ目標を強化した更新版の提出が求められているが、G20諸国のうち目標を引き上げたNDCを提出したのは、現在のところアルゼンチン、カナダ、EU、イギリス、アメリカのみにとどまり、未提出あるいは内容の不十分な国が多い。G20諸国が途上国に先駆けた排出削減及び途上国の気候行動への資金提供を、時機を逸せずに行わなければ、先々の取組に伴う費用と困難は増大し、1.5℃目標が達成不可能になると報告書は指摘している。【世界資源研究所】