一般財団法人環境イノベーション情報機構
気候変動に関する政府間パネル、今後数十年で世界の気温上昇幅が1.5℃に達する可能性があり気候変動は急速に激化と警鐘
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.08.26 【情報源】国際機関/2021.08.09 発表
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、第6次評価報告書(AR6)の第1作業部会(WG1)報告書「気候変動2021:自然科学的根拠」を公表した。同報告書は、産業化以前を基準とした世界の気温上昇幅が今後数十年で1.5℃に達する可能性があると分析し、温室効果ガス(GHG)の排出量を速やかに大幅に削減しない限り温暖化を2℃未満に抑えることも不可能になると警鐘を鳴らす。人間の活動によるGHG排出が、1850〜1900年から気温を約1.1℃押し上げたと説明している。GHG排出量を大幅に削減し続ければ気候変動の抑制は可能だが、世界の気温が安定するには20〜30年かかる可能性があるという。報告書によると、1.5℃の温暖化で熱波が増加し高温の季節が長引き、2℃の温暖化で農業や健康に悪影響を及ぼす異常高温が増えることが想定される。加えて、豪雨や干ばつの激化、海面の上昇、永久凍土や氷河等の融・溶解、海洋の酸性化なども進行する。なお、IPCCは世界各地の気候変動の影響について地図上で視覚的に情報を提供するオンラインツールも公開した。【気候変動に関する政府間パネル】