一般財団法人環境イノベーション情報機構
フランス環境移行庁、持続可能な観光部門のため温室効果ガス排出実態を分析
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.06.24 【情報源】フランス/2021.06.08 発表
フランス環境移行庁(ADEME)は、フランス経済にとって重要な観光部門の温室効果ガス排出状況を定量化し、部門全体の2018年の排出量は1億1800万トン(CO2換算)に上ったと報告した。ADEMEの報告によると、その大半(77%)は旅行客の輸送で、主に滞在地への往復で発生している。輸送の排出の半分強を占める航空機での移動は、到着旅行者数では輸送の12%に過ぎないが、距離を加味した尺度(乗客・キロメートル)では43%だった。輸送以外では、宿泊施設の排出が部門全体の7%で、物品購入と食事提供を合わせると20%になった。ADEMEは部門の需要・供給両面から排出削減策を例示、排出削減と観光業の発展に同時に寄与する方策も示唆した。フランスでは国際旅行の到着者数が年間8930万人(2018年)と世界最多で、観光業は国内総生産の7.4%を占める。一方でその環境、特に気候への負荷も大きい。ADEMEは今回の分析がコロナ後の持続可能な観光業の回復に役立つツールになるとしている。【フランス環境移行庁】