一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、花粉媒介昆虫の減少に対処する「EU花粉媒介者イニシアティブ」の実施状況に関する報告書を公表
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2021.06.15 【情報源】EU/2021.05.27 発表
欧州委員会は、花粉媒介昆虫の減少への対策として2018年に導入した「EU花粉媒介者イニシアティブ」の実施に関し、著しい進展はあったが減少の様々な要因への対処で課題 が残るとする報告書を公表した。花粉媒介昆虫は生態系機能や食料安全保障等にとって不可欠だが、EUではハチやチョウの1割が絶滅の危機に瀕し、3分の1は個体数が減少している。報告書によると、2020年末までに3つの優先課題(花粉媒介者の減少に関する調査、減少の原因への対処、減少の阻止に向けた市民参加と協力促進)に関して30超の活動が実施された。また、同イニシアティブの下、花粉媒介種の監視計画も策定されており、まもなくEU全域で実施の予定である。特に農業景観での生息地減少、殺虫剤の影響への対処において取組の強化が必要だという。
EUの「生物多様性戦略2030」、「農場から食卓まで戦略」、「ゼロ汚染行動計画」は、これらに対処する具体的目標(保護区拡大と生態系回復、有機農業の促進、殺虫剤など有害汚染物質の使用激減等)を定めている。
【欧州委員会】