一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会 塗料及びニスからの汚染物質削減について立法化
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2003.01.23 【情報源】EU/2003.01.14 発表
欧州委員会は、一連の塗料及びニスに含まれる揮発性有機化合物(VOCs)の量を年間約50%(または28万トン)削減する提案を提出した。VOCsは、EUの大気汚染問題の一つである、地表レベルオゾンの形成(スモッグ)に寄与する。この提案は塗料、ニス、自動車補修塗料に含まれる溶剤に対し、初めてEU規模の制限を設けるもの。2007年、2010年の2段階で実施される。この提案の主要な項目は以下の3つである。
−特定の製品分類にVOCsの含有量の上限を設定。表装用塗料、ニス及び自動車補修用塗料が指定される。
−環境上の便益を損なうことなく、影響を受ける業界に準備期間を与えるため、2段階のアプローチをとる。第1段階は2007年1月1日から適用され、第2段階は2010年1月1日から適用される。ただし、自動車補修用塗料は2007年1月1日の1段階のみである。第1段階では、表装用塗料について、水性プライマー1リットル当たり50グラムから、特定プライマー1リットル当たり750グラムまで、様々な上限値が設定される。第2段階ではさらに低い値が要求される。
−第2段階導入後の大気質改善により推定される便益は年間5億8000万ユーロ(約731億円)。一方、費用は年間1億800万(約136億円)から1億5700万ユーロ(約198億円)とされている。従って、費用対便益の比は3.7から5.4の間になる。【欧州委員会環境総局】