一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、東部12州の発電所に対するNOx排出削減規制を強化へ
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2021.04.01 【情報源】アメリカ/2021.03.15 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は2021年3月15日、風上にあたる州の発電所から排出された大気汚染物質による風下の州への影響を緩和し、風下の州が2008年の米国環境大気質基準(NAAQS)の地表オゾン濃度基準を満たせるようにするため、「改正州横断型大気汚染規制(CSAPR Update)」の改正内容を最終決定した。改正実施により、CSAPR Updateで対象となっていた東部12州の発電所は今夏以降、窒素酸化物(NOx)の排出量を一段と削減する必要があるという。NOxはオゾン生成に寄与する大気汚染物質であり、オゾンへの曝露が呼吸器系疾患や早死等につながることから、EPAは州や電力部門と協力して排出削減に取り組んでいる。EPAによれば、今回の決定や電力部門で実施中の対策によって、2021年オゾンシーズン(5〜9月)の12州のNOx排出量は2019年比で推計約2万5000トン、19%減少する。また、2021年から2040年にかけ、公衆衛生や気候対策の面で毎年平均約28億ドルの利益が見込まれる。【アメリカ環境保護庁】