一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、2020年の発電所からの大気汚染物質排出量が大幅に減少と報告
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2021.03.03 【情報源】アメリカ/2021.02.16 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、2020年に同国本土48州の発電所から排出された窒素酸化物(NOx)、二酸化硫黄(SO2)、二酸化炭素(CO2)、及び水銀のデータを公開した。これは、酸性雨プログラム(ARP)、州間大気汚染規則(CSAPR)、更新CSAPR、水銀・大気有害物質基準(MATS)の一環として、EPAが全国の発電所から集めたデータである。2020年は、前年比で電力需要の約3%減少が見込まれる中、発電所からのSO2、NOx、CO2、水銀の排出量はそれぞれ19%、16%、11%、17%減少。1990年比では、SO2、NOxの排出量がそれぞれ95%、88%も減少した。この長期的な減少は、主に電源構成の変化によるもので、石炭から天然ガス・再生可能エネルギーへの移行が続き、近年加速しているという。NOx・SO2排出は地表オゾンや粒子状物質の生成に寄与し呼吸器・循環器疾患を、水銀への曝露は癌や免疫系の損傷を招く可能性があり、排出削減は地域社会の健康を改善する。また生態系の保護にもつながり、アメリカ東部における粒子状硫酸塩の環境濃度、硫酸塩の湿性沈着、酸中和能力が大幅に改善しているという。
【アメリカ環境保護庁】