一般財団法人環境イノベーション情報機構
下水処理場からの悪臭に新規制を提案
【大気環境 悪臭】 【掲載日】2003.01.15 【情報源】イギリス/2002.12.23 発表
イギリス環境・食糧・地方事業省は、公共下水処理場からの悪臭の規制についてパブリックコメントの募集を開始した。この意見募集については、都市生活の質担当のアラン・マイケル大臣が12月19日の国会答弁の際に明らかにした。悪臭問題が起きた際、現状では、水道会社、地方自治体、環境庁、企業と住民グループが協力して対策のための合意づくりを目指すが、こうした協力が無い場合には、望ましい基準の遵守を確保する手段がない。このため、今回公表された協議文書では、以下のような4つの選択肢が提示されている。
(1)法的な規制の変更は行わず、悪臭管理のための自主的な行動規範を下水処理産業に導入。
(2)1990年環境保護法にある法的公害レジームを拡張し、悪臭を管理するよう産業界に改善通告を発する権限を地方自治体に付与する。
(3)「地域大気汚染規制・防止(Local Air Pollution Prevention and Controls : LAPPC)」スキームを活用し、個々の下水道処理場の操業について、最高の技術を使用することを条件とする許可制度を導入する。
(4)統合的汚染防止管理(IPPC)を拡張。悪臭が相当ひどいとみなされた場合、その悪臭に対処する条件が許可に明記される。不遵守に対しては、執行、訴追などの措置がとられる。
なお、協議文書には、社会的なコスト・ベネフィット、リスク等を事前に評価する初期的な「規制影響評価(Regulatory Impact Assessment)」も添付されている。【イギリス環境・食糧・地方事業省】