一般財団法人環境イノベーション情報機構
デンマーク、狩猟における鉛弾の使用を全面禁止へ
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2020.12.02 【情報源】デンマーク/2020.11.13 発表
デンマーク環境・食糧省は、狩猟における鉛製ライフル弾の使用を段階的に禁止すると発表した。これにより、世界で初めて猟銃の鉛弾(散弾及びライフル弾)を全面禁止する国になるという。デンマークでは年間20万頭もの哺乳類が猟で殺されている。同国狩猟者協会によると、全狩猟者が鉛ライフル弾を使用すれば年間最大2000キロの鉛が環境中に投棄されることになる。鉛は少量でも魚類や甲殻類、水生生物に対して毒性があり、また、食物連鎖を通じて人の体内に蓄積し、脳障害や子供の学習障害を引き起こす危険性もある。
同国では1996年以降、狩猟用の鉛散弾の販売・使用が禁止されている。鉛ライフル弾についても無鉛化に向けた取組が進んでいる。使用規制に当たっては狩猟用銃器及び銃弾に関する法令の改正が必要で、環境・食糧省は無鉛ライフル弾の安全な使用と効率的な猟のため、ライフル弾の条件の修正を検討している。狩猟用の鉛ライフル弾に対する禁止令は移行期の後、2023年に施行される見込み。今回の禁止措置は同分野でEUの新規則が採択されるまでの暫定的な国家規則となる。
【デンマーク環境・食糧省】