一般財団法人環境イノベーション情報機構
ヴァルストロム環境委員 スペインのガリシアを訪問
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2002.12.20 【情報源】EU/2002.12.04 発表
EUのヴァルストロム環境委員は、12月6日にスペインのガリシアを訪問し、タンカー「プレスティジ」の事故により生じた環境損害及び地域住民への影響を調査する。この災害による環境への影響に対処する上で委員会はスペインにどのような支援ができるのか調査する。バルストロム委員はスペインのマタス環境大臣と行動を共にする予定である。油濁により影響を受けた地域を訪れ同地の海浜を清掃しているNGO、ボランティアの人々、ガリシア州政府のトップと会談する。EU加盟国からのスペインへの支援に関しても感触を探る。事故による油汚染は、スペインでも最も大切に保護されてきた地域、EUの「Natura 2000」の一部にも及んでいる。このため、Natura 2000及び沿岸域の管理、これらに適用されるEU法令の関係について検討し、欧州委員会は、来年6月にレポートを作成する予定である。
また、欧州委員会が12月3日に採択した、海上の安全を向上させる「プレスティジ・パッケージ」についても議論される。プレスティジ・パッケージは国際的な汚染者負担原則の厳格な適用の導入、油濁損害のための国際基金を10億ユーロ(1100億円)に増額することを予見している。なお、現在のレジームでは人・財への補償があっても環境・生態系の損害については適切に補償されないため、欧州委員会ではさらなる方策を検討することにしている。【欧州委員会環境総局】